RWAトークン化の新たな金融エコシステム:Archax・UBS・Plumeの先端事例

2024年、金融とWeb3技術の融合がいよいよ本格化しています。特にここ1ヶ月ほどの間に、RWA(現実資産・リアルワールドアセット)トークン化をめぐる注目ニュースが相次ぎました。英国の暗号資産取引企業Archaxによる大手金融機関らのマネーマーケットファンド(MMF)のトークン化や、UBSの「uMINT」、そしてPlumeの「RWAfi」構想など、それぞれが資産運用のエコシステムを大きく変える可能性を秘めています。


各社の取り組み

Archax:大手金融機関などが発行するMMFをトークン化
英国の機関投資家向け暗号資産取引所およびカストディ企業であるArchaxは、2024年11月、同社プラットフォームにステート・ストリートやフィデリティ・インターナショナルなど大手金融機関のマネーマーケットファンド(MMF)のトークン化受益権を上場し、Hedera Hashgraph、XRPレジャー(XRPL)、Arbitrumといったブロックチェーン上で提供することを発表しました。

トークン化対象ファンド
State Street Global AdvisorsのUSD/GBP/EUR Liquidity Funds
・Fidelity InternationalのUSD/GBP/EUR ILF Funds
・LGIMのUSD/GBP/EUR Liquidity Funds
・abrdnのUSD Liquidity Funds(Luxファンド)


UBS:イーサリアムベースの「uMINT」を発表
UBSアセットマネジメントは、2024年11月、トークン化マネーマーケットファンド「uMINT」(UBS USD Money Market Investment Fund Token)をイーサリアムのパブリックメインネット上でローンチしたことを発表しました。このファンドは、販売会社であるDigiFTを通じてのみ購入可能です。

Plume:Brevan Howard Digitalと野村ホールディングスのLaser DigitalなどからシリーズA資金調達で「RWAfi」を推進
RWAのトークン化を重点に置くレイヤー1ブロックチェーン「Plume」は、RWAのトークン化とDeFiを融合する「RWAfi」エコシステムを提案し、12月18日にシリーズAで2000万ドルを調達したと発表しました。年明けに正式ローンチ予定ですが、すでにPlumeのエコシステムでは180を超えるアプリとプロトコルが開発されており、AML(マネーロンダリング対策)や規制面にも対応したプラットフォームを構築しています。


金融業界に広がるWeb3の波

伝統的な金融機関がRWAのトークン化を取り入れる動きは、暗号資産投資家にとどまらず、より幅広い投資家層にWeb3技術を浸透させるきっかけとなる可能性があります。トークン化を通じて、1日1回のファンド解約制限といった従来の金融商品が抱えていた制約を緩和することで、資金調達や運用の柔軟性が向上し、金融業界全体のイノベーションを加速させることが期待されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました