ビットコインを取引する際、過去のデータを参考にすることで、どの曜日に値動きが大きくなる傾向があるのかを理解することができる。今回は、直近4週間(2024年9月23日~現在)、直近8週間(2024年8月26日~現在)、年初来(2024年1月1日~現在)のデータを基に、曜日ごとの実現ボラティリティ(値動きの大きさ)を分析した。
曜日ごとのボラティリティ分析
以下のデータからも分かるように、ビットコイン相場の実現ボラティリティは、いずれの期間においても「月曜日」が最も値動きが激しくなることが確認された。直近4週間では、月曜日のボラティリティが68.9%と特に大きくなっている。また、8週間や年初来データにおいても、月曜日は他の曜日に比べて値動きが顕著だ。一方、土曜日や日曜日は、平日に比べてボラティリティが低くなる傾向が確認される。暗号資産市場は365日稼働しているが、伝統的な金融市場が閉まっている週末には、値動きが抑えられる傾向が見てとれる。
曜日 | 直近4週間 | 直近8週間 | 年初来 |
---|---|---|---|
月 | 68.9% | 60.7% | 67.0% |
火 | 49.0% | 59.7% | 55.0% |
水 | 27.8% | 29.5% | 61.2% |
木 | 33.0% | 35.9% | 52.5% |
金 | 22.3% | 48.4% | 57.9% |
土 | 10.8% | 10.7% | 29.3% |
日 | 15.2% | 26.1% | 38.3% |
月曜日の値動きが激しくなる要因
では、なぜ月曜日の値動きが激しくなるのか?いくつかの要因が考えられる。
1)週末のポジション調整
多くの投資家は、週末が終わる月曜日に新たにポジションを再構築するため、取引が活発化しやすい。ビットコイン市場は週末も動いているが、伝統的な金融市場が再開するタイミングで、売買が加速する傾向がある。
2)週末のニュースやイベントの影響
週末には重要なニュースやイベントが発生することが多く、その影響が月曜日の市場に反映される。特に暗号資産市場では、規制や政治に関するニュースなどが価格に影響を与える傾向が強い。
3)オプション取引の再開
金曜日のカットオフを終えて、オプション勢は週末モードに入るが、月曜日に入ると、再びオプション取引(特にWeekly Option)を活発化させる。オプション約定時にマーケットメーカー側が行うデルタヘッジ操作がビットコイン相場を動意づける傾向がある。
ボラティリティを高める多くの好材料
ビットコイン市場は現在、上昇トレンドを強めており、多くの好材料が揃いつつある。これらの要因は、今後のボラティリティにも大きな影響を与える可能性が高い。
A)Uptober(10月は上がりやすいアノマリー)
10月は過去にビットコインが上昇しやすい月とされており、今年もその傾向が続いている。
B)トランプ大統領の勝利確率が上昇
アメリカ大統領選に向け、トランプ氏の勝利確率が上昇しており、暗号資産フレンドリーな政策転換期待が市場全体に影響を与えている。
C)マウントゴックスの返済期限が2025年に延期
マウントゴックスのビットコイン返済が延期され、売り圧力が軽減されたことがビットコイン価格を下支えしている。
D)米国のハードランディング懸念の後退
米経済のソフトランディング期待が高まる中、米主要株価指数が史上最高値を更新している。伝統的金融市場のリスク選好ムードが暗号資産市場にもポジティブな影響を与えている。
E)中国の景気対策期待
中国政府が景気刺激策を打ち出す中、チャイナマネーの流入期待がビットコイン需要を高めている
F)ビットコインETFへの資金流入期待
ビットコインETFへの大規模資金流入が続いている他、米SECがビットコインETFオプションを承認したこと等も追い風となっている。
最後に
月曜日は1週間の中で最も値動きが激しくなる曜日であり、特に短期トレーダーにとって重要な日となり得る。現在の市場環境を踏まえると、ビットコイン市場には多くの好材料が揃っており、今後も「ボラタイルな月曜日」は続きそうだ。曜日ごとの動向を理解しておくことで、リスクを適切に管理しつつ、より戦略的にトレードを行うことができるだろう。特に月曜日は、チャンスとリスクが交錯する日であるため、慎重な判断が求められる。月曜日の値動きに引き続き細心の注意を払いつつ、市場の動向を注視していきたい。
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