英銀大手のスタンダードチャータード(スタンチャート)は、ルクセンブルクに新たな子会社を設立し、欧州連合(EU)内でのデジタル資産カストディサービス提供に向けた準備を本格化させました。この新会社は、2024年に施行された暗号資産規制「MiCA(Markets in Crypto-Assets)」への準拠を目指し、急速に成長するデジタル資産市場に対応することを目的としています。
これにより、同社は安全性を重視したカストディサービスを通じて、EU域内で高まる機関投資家のニーズに応えるべく、デジタル資産へのアクセスを提供する体制を構築する計画です。
UAEで培った実績を活用
スタンチャートは、2024年9月にアラブ首長国連邦(UAE)でデジタル資産カストディサービスをローンチしました。同社のサービスは、Brevan Howard Digitalや暗号資産取引所「OKX」を含む機関投資家によって利用されており、規制に準拠した安全性の高いカストディーサービスを提供しています。この経験をもとに、同社はルクセンブルクでの拠点設立を通じて、欧州市場での事業拡大をさらに進める方針です。
新CEOの役割
この新会社のCEOには、ロラン・マロキーニ氏が就任しました。マロキーニ氏はソシエテ・ジェネラルでイノベーション部門の責任者を務めた経験を持ち、現在もルクセンブルク投資ファンド産業協会(ALFI)のブロックチェーン・暗号資産作業部会で重要な役割を担っています。同氏の豊富な専門知識は、新会社の事業展開において大きな期待が寄せられています。
関連企業「Zodia Custody」との関係
スタンチャートは、同社のSCベンチャーズを通じて、2020年にロンドンを拠点とするデジタル資産カストディ事業会社「Zodia Custody」を設立しました。同社は現在、日本のSBIホールディングスやノーザントラスト、オーストラリアのNAB(ナショナル・オーストラリア銀行)などから出資を受けています。一方で、新たに設立されたルクセンブルクの子会社は、Zodia Custodyと一部で役割が重複する可能性があるため、競合も予想されます。
今後の展望
欧州でのデジタル資産市場は、規制の整備により信頼性が高まりつつあります。スタンチャートは、規制に準拠した安全なカストディサービスを提供することで、機関投資家の参入を後押しすると期待されています。一方、日本国内でも三井住友信託銀行とビットバンクの協働による日本デジタルアセットトラスト準備会社(JADAT)の設立に向けた取り組みが進行中であり、グローバル市場におけるカストディ業務の重要性がますます高まっています。
(参考)プレスリリース



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