直近のオンスクリーン取引データによると、2025年3月満期(2025/3/28期日)のビットコインのコールオプション取引が急増しており、それらの行使価格は100,000ドルから120,000ドルに設定されています。
特に、以下3つの取引が市場参加者の間で注目されています:
- 行使価格 $100,000:364コントラクト(プレミアム総額 $4,034,843.47)
- 行使価格 $115,000:533コントラクト(プレミアム総額 $3,523,827.69)
- 行使価格 $120,000:549コントラクト(プレミアム総額 $3,072,326.21)
これらの大規模な「ネイキッド・コール買い(=デルタヘッジ無しでのコールオプション単体買い)」は、投資家がビットコイン価格のさらなる上昇を見込んでいることを示唆しています。
裏に潜むデルタヘッジの影響
このようなネイキッド・コール買い取引の裏側では、マーケットメイカーによる「デルタヘッジ」の影響が注目されます(※詳しく理解したい方はこちら)。デルタヘッジとは、オプション取引のリスクを相殺するために、現物や先物を取引してポジションを調整する手法です。
この場合、マーケットメイカーは大量のコールオプションの売り(マーケットテイカーによるコール買いの反対側なので、マーケットメイカー側はコール売り)に対して、ビットコインの現物や先物を購入してリスクを緩和する動きを取ることが一般的です。
直近2日間のビットコイン上昇の背景には、こうしたデルタヘッジによる買い圧力が一因として関与している可能性が高いと考えられます。
市場の注目ポイント
- 強気なセンチメント:100,000ドル以上のコールオプションが大規模に取引されていることは、ビットコイン相場が史上最高値更新に向けて再びアクセルが踏まれる期待が強いことを示しています。
- 短期的な影響:マーケットメイカーによるデルタヘッジの現物買い・先物買いが、ビットコイン相場の押し上げに寄与している可能性が高いと推察されます。
- 長期的な影響:3/28期日の100,000ドル、115,000ドル、120,000ドルのコールオプションが大量に取引されたことで、3/28に向かってこれらの水準が節目として再び脚光を浴びる可能性が高いと考えられます。特にマーケットメイカー側は、3/28の期日が近づくにつれて、上記水準に、大規模なガンマショートを持つことになるため、オプション市場のガンマ構造が現物市場の値動きに大きな影響を与える恐れが警戒されます。
2025年に入り、オプション市場の動意が一気に戻ってきているため、今後もマーケットテイカーの動向と、その裏側に立つマーケットメイカーのデルタヘッジの向き(※詳しく理解したい方はこちら)に注目が集まりそうです。
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