ブラックロックが運用するビットコイン現物型ETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」が過去最大規模の資金流出劇(約3.33億ドル=約522億円)に見舞われたことで、年明けのビットコイン市場は一時悲観的なムードに包まれましたが、翌3日に純流入(約2.5億ドル=約393億円)に転じたことから、市場の雰囲気は一変、持ち直しの兆しを見せつつあります。ビットコイン相場が9.8万ドルを回復していることも、悲観ムードの後退(楽観ムードへの転換)に繋がっています。
日付 | ブラックロックIBITの純流入額 |
---|---|
2024/12/30 | -$36.5m |
2024/12/31 | -$23.5m |
2025/1/1 | ー |
2025/1/2 | -$332.6m |
2025/1/3 | +$253.1m |
データ出典:farside
悲観ムード後退の背景①
1月2日に見られた大規模資金流出は、投資家による利益確定売りやポートフォリオリバランスが主因と考えられています。IBITは急速に資金を集め成長してきたことから、その反動として一時的な資金流出や調整が入ったとの見方が市場コンセンサスとなりつつあります。事実、ブルームバーグのシニアETFアナリストのエリック・バルチュナス氏も、今回の流出について「成長過程における自然な調整であり、ETF市場では想定される動き」と捉えています。
悲観ムード後退の背景②
ブラックロックのビットコインETF(IBIT)を原資産とするオプション市場でも、ビットコイン価格の上昇を見込むコールオプションのロング再構築が活発化しています(※詳しくはこちら)。こうしたオプション市場の動きも、今回の流出劇が一時的なポートフォリオ調整やリバランスによるものであり、過度に懸念する必要はないことを示唆しています。
まとめ
今回の大規模資金流出劇は、IBITの急速な成長過程に伴う一時的なポジション調整が主因と見られており、過度な懸念は不要との見方が広がっています。さらに、オプション市場でのコール再構築の動きや、ビットコイン相場の9.8万ドル回復といったポジティブな動きも市場心理の改善(悲観ムードの後退)に寄与しています。さらに、1月20日のトランプ政権発足や、3月5日の全人代開幕(中国版景気対策バズーカー期待)など、ポジティブ材料が控えているため、当面はファンダメンタルズ主導でビットコイン相場の上昇期待が続きそうです。
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