【オプション速報】ローデルタPUTオプションの大口売りが急増

本日は、ローデルタPUT(行使確率が極めて低いPUTオプション)の大口取引が複数観測されました。具体的には、以下のようなPUTオプション群で、行使期日は全て2025年3月28日、行使価格は40,000ドル、55,000ドル、60,000ドルの3種類となります。


直近2日間のビットコイン急落の影響もあって、多くの市場参加者は価格下落に備えた「PUT買い」を想起するかもしれません。しかし、取引データに基づくオリジナルのサイド(exchange direction)を見ると、今回の取引主体はPUTオプションの「売り手」であることが確認できます。


つまり、今回のPUTオプションは価格下落を警戒した「PUT買い」ではなく、価格上昇や横ばいを見越した「PUT売り」が主体である可能性が指摘されます。特に、今回取引されたPUTオプションは5デルタを下回るローデルタ物が中心であり、「万が一その水準まで下がればさすがにビットコインを買いたい」と思わせる極端な水準感となっています(行使価格が40000ドル~60000ドルの水準なので)。


こうしたアプローチは、昨年メタプラネットが実施したターゲットバイイングやキャッシュセキュアードプットと類似しています。「さすがにその水準には届かないだろう」「仮にその水準まで落ちたらさすがに拾いたい」と考えたプレイヤーによる「PUT売り」の可能性が高いのではないかと考えられます。


また、もう一つの仮説として、マーケットメイカーが意識している「ガンマ・セータレシオ」の改善(ウィング売却でテールリスクを背負う代わりに、ガンマロング+セータ受けという形の良いポジショニング)を目指した高度な戦略の一環である可能性も考えられます。


もっとも、いざビットコイン価格が、90000ドルや80000ドルを割り込み、あれよあれよと下がってくると、たちまち上記ローデルタオプションの到達確率が高まり、テールリスクの顕在化に市場が怯え始めることになります


私たちCoinCollege∛メンバーも、過去に2度、ウィング売り(ローデルタオプションの売却)に掴まって、僅か1~2日でテールリスクが顕在化し、大きな損失を被った苦い経験があります。滅多にないことではありますが、マーケットに「絶対」は無いため、油断は禁物の精神で構えたいなと考えています。


いずれにせよ、ビットコイン相場の下落を受けて、オプション市場が俄かに活気づいていますので、暫くはオプション市場の大口取引の動向に注意を払いたいと思います。


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