ユーロドル相場は年明けから軟調に推移し、1月2日には一時1.0225まで急落するなど、2022年11月21日以来の安値(約2年1カ月ぶり安値)を更新しました。

ファンダメンタルズ要因
ユーロドル相場急落の背景として、以下7つのファンダメンタルズ要因が挙げられます:
- 欧州経済の先行き不透明感
- 欧州政治の先行き不透明感
- ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク
- トランプ政権下の関税引き上げリスク
- ECBによる根強い追加利下げ観測
- FRBによる過度な利下げ期待の後退
- 上記5、6を背景とした欧米金融政策の方向性の違い
テクニカル要因
ユーロドル相場急落の背景として、以下5つのテクニカル要因が挙げられます:
- 全テクニカルポイントの下方ブレイク
- 弱気のパーフェクトオーダー成立
- 一目均衡表三役逆転の成立
- 弱気のバンドウォーク成立
- ダウ理論の下落トレンド成立
通貨オプション市場
こうした中、通貨オプション市場でも1ユーロ=1ドルの「パリティ」割れを織り込む動きが一段と活発化しています。特に1ヵ月物のスマイルカーブ(通貨オプションのインプライド・ボラティリティの曲線)では、ユーロプット(EUR PUT)方向に大きく傾く状況となっており、市場参加者がユーロドル相場のさらなる下落を意識していることが確認されます。

本記事のまとめ
ユーロドル相場のパリティ割れを織り込む動きは、欧州経済の先行き不透明感に端を発したECBによる根強い追加利下げ観測と、それに伴う欧米金融政策格差の影響を色濃く反映しています。今後も欧米経済指標や欧米金融政策、さらには地政学的リスクが相場の鍵を握ると考えられるため、2025年1月のユーロドル相場は月を通して神経質な値動きが続きそうです。
今後の注目材料
- 8日:FOMC議事要旨
- 10日:米国の雇用統計
- 14日:米国の卸売物価指数(PPI)
- 15日:米国の消費者物価指数(CPI)
- 16日:米国の小売売上高
- 28日~29日:FOMC(米連邦公開市場委員会)およびパウエルFRB議長記者会見
- 30日:ECB(欧州中央銀行)理事会およびラガルドECB総裁記者会見
- 30日:米国の第3四半期GDP
- 31日:米国のPCEデフレータ
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