メタプラネットのオプション戦略と今後の展望

昨今注目を集めている株式会社メタプラネット(スタンダード市場:3350)は、2024年10月3日にビットコインのプットオプションの売却を実施し、その後、2024年10月16日にロールアップ戦略(既存の売り足を買い戻すと共に、より行使価格の高いプットオプションを売却する取引)を行った。

メタプラネットのオプション戦略

具体的には、10月3日に売却したプットオプション(行使価格62,000ドル)を買い戻し、代わりに行使価格66,000ドルの新しいプットオプションを売却した。この取引を行った理由は、ビットコインの相場が上昇したことにより、当初のプットオプション(62,000ドル)のリスクが低下したためである。


言い換えれば、よりリスクを取れる状況になったため、62,000ドルのプットオプションを一度買い戻してポジションを解消し、さらに高いリスクを伴う66,000ドルのプットオプションを新たに売却することで、追加のオプションプレミアムを得ようとしたのである。尚、各々のオプション明細は以下の通り。

当初売却していたオプション①を今回の取引②で相殺し、さらに③として新たなオプションを売却するという流れである。


メタプラネットの合成ポジション

為替リスク(米ドルプレミアム)を考慮したメタプラネットのオプション損益図を確認すると、損益分岐点が58,201ドルと現行の相場水準から遠ざかっており、既にかなりの余裕が出てきている。メタプラネットが行ったオプション戦略(Cash Secured Put)はタイミング的にも手法的にも神がかり的な上手さであったと評価できよう。

今後の展望

本稿執筆時点でビットコイン相場は79,000ドル付近まで上昇しており、メタプラネットが上記オプション取引から得られる想定収益は2.36百万ドル(約3億5400万円 ※1ドル150円計算)まで増加している。現時点でメタプラネットが有するプットオプションは、12月27日満期の66,000ドルであり、すでに行使確率は10~15デルタ付近まで低下している。

このため、先日行ったロールアップと同様の戦略を再度実施してくる可能性もありそうだ。具体的には、現在保有している66,000ドルのプットオプションを買い戻すと共に、行使価格を69,000ドルや70,000ドルに引き上げた新たなプットオプションを売却することで、追加のプレミアムを得る戦略などが考えられる。メタプラネット社のオプション取引に今後も注目したい。

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