ドル円、約5ヶ月ぶり高値を更新。本日は本邦当局者による円安牽制発言に要注意

皆さま、はじめまして、通貨オプショントレーダーの照葉栗太です。これまで約6年にわたり、カカクコム社が運営するFX羅針盤/暗号資産羅針盤に寄稿して参りましたが、同サービスの終了・閉鎖に伴い、情報発信の場を、CoinCollege∛さんへと移しました。


ドル円やユーロなどの外国為替市場や、ビットコイン(直物・先物・オプション)などの暗号資産市場に関する情報発信を続けて参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。


昨日のレビュー

昨日のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値157.07まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、①本邦輸入企業と思しき実需のドル買い(公表相場決定にかけてのドル不足)や、②日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、③米新規失業保険申請件数の良好な結果、④米金利上昇に伴うドル買い圧力、⑤クリスマス休暇明け米国勢のポジション再構築が支えとなり、米国時間午後にかけて、約5ヶ月ぶり高値となる158.11(7/17以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(12/27日本時間午前7時現在)では、157.93前後で推移しております。



本日の見通し

ドル円は一時158.11まで上昇するなど、約5ヶ月ぶり高値を更新しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、上位足(日足・週足)のみならず下位足(4時間足など)でも強い買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます



また、ファンダメンタルズ的に見ても、①日米金融政策の方向性の違い(米FRBによる過度な利下げ期待の後退+日銀による早期利上げ期待の剥落)や、②上記①を背景とした円キャリートレードの再開期待(日米金利差が当面縮まらないとの見方からドル買い・円売りに安心感)、③最先端テクノロジー領域(AI領域など)に対する日系企業の対外直接投資期待(ドル買い・円売り)、④個人投資家による旺盛な外国株買い(新NISAのドル買い・円売り)、⑤中国経済の回復期待(中国政府による財政出動+金融緩和の組み合わせ→リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています


政府・日銀による為替介入警戒感が燻っているものの、本年7/3に記録した年初来高値161.99を超えるまでは実弾介入に踏み切ることは難しいと考えられることから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします


但し、本日は、本邦当局者より円安牽制発言が出てくる可能性が高いと考えられる他、東京都区部12月消費者物価指数や、日銀金融政策決定会合における主な意見(12/18ー12/19開催分)なども予定されているため、アジア時間帯はややドル円が反落に転じるシナリオに警戒が必要でしょう。尚、海外時間帯は、欧州勢がクリスマス休暇から本格的に復帰するため、東京クローズから欧州入り際にかけてのボラティリティ拡大(ポジション再構築に伴う乱高下)に警戒が必要でしょう。


予想レンジ:157.00ー158.75

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